神戸大学 大学院理学研究科 物理学専攻 粒子物理学研究室

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研究内容

T2K実験: 東海-神岡間長基線ニュートリノ振動実験

t2kT2K実験は、ニュートリノの謎の解明を目的として、茨城県東海村に建設された大強度陽子加速器施設(J-PARC)を用いて大強度ニュートリノビームを生成し、J-PARC敷地内の前置検出器(ND280)でビームの特性を測定してから、295km離れた後置検出器のスーパーカミオカンデにニュートリノビームを打ち込む実験です。J-PARC内の前置検出器とスーパーカミオカンデの観測結果を比較することで、ニュートリノが飛行中に別の種類に変わる「ニュートリノ振動」の研究が可能となります。特に、電子ニュートリノ出現現象の検出によるニュートリノ振動の混合角θ13の精密測定、ミューニュートリノとタウニュートリノの間の振動現象の精密測定、ニュートリノにおけるCP対称性(物質と反物質の対称性)の破れの観測を主目的としています。

T2K実験では、2010年1月からニュートリノビームを本格的に神岡に送り始め、2010年2月24日に遠方検出器スーパーカミオカンデにおいてJ-PARCニュートリノを初検出し、2010年5月15日には電子ニュートリノ反応事象の候補を検出しました。2011年には、スーパーカミオカンデで検出された事象数は88事象になり、その内6事象は電子ニュートリノ反応事象でした。この結果は、電子型ニュートリノ出現現象の兆候を示唆する世界で初めて得られた研究成果であり、T2K実験で捉えた「電子ニュートリノ出現現象の兆候」は、英国物理学会(IOP) Physics World誌による「2011年の物理学における10大成果」に選ばれました
参考(PhysicsWorld)  参考(KEK)  参考(神岡施設)) また、2012年には、フランスの科学雑誌La Rechercheからも受賞しました。
(参考(Le Prix La Recherche) 参考(T2K実験サイト)) T2K実験は現在も継続中です。

神戸大学グループは、主に東海村に設置された前置検出器の一部であるミュー粒子検出器の運転、および、それを用いた解析を行っています。また後置検出器であるスーパーカミオカンデの維持運転や検出器較正等も分担しています。

メンバー

教員

  • 鈴木 州
  • 竹内 康雄
  • 鐘 海文
  • 青木 茂樹 (発達科学)
 

論文リスト

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